もう一度あなたに恋をした。


動揺してるあたしをよそに、雑炊が入った土鍋を持とうとしてる佐伯くん。


その光景にハッとする。



「い、いいよ!あたしが持ってくから!佐伯くんは座って待ってて!」



慌てて駆け寄ると、意外な重さに無理だと思ったのか、素直に「分かりました…」と言って部屋に戻っていく。





戸棚から器とレンゲを取り出し雑炊を入れて、薬用の水と一緒に部屋へ運ぶ。





「わー、美味しそう…」






さっきの佐伯くんは一体なんだったのか…と思うほどにわくわくした顔で雑炊を見つめている。



「お口に合うか分かんないけど…どうぞ。」


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