もう一度あなたに恋をした。



安堵の息を漏らして、ようやく心にゆとりができ、改めて部屋の中を見渡す。




モノトーンで統一された、ベッドとミニテーブルとテレビだけの、あまり家具が置いてないシンプルな部屋。


好きなサッカー選手だろうか、ポスターが貼ってある。



外装は古いのに、中はリフォームされたのだろう、壁や床はシミも傷ひとつもない綺麗な感じだった。





ごちそうさま。と聞こえて、佐伯くんに視線を戻す。




「えっ、あの量完食したの?」




あたしが器によそった雑炊は、いくら男でも39度も熱ある人間が食べれるような量じゃなかったはず。



なのに佐伯くんがテーブルに置いた器は、見事に空っぽになってて。




「すっげー美味かったっすから。」




そう言ってにっこり笑ってみせる佐伯くん。


うん、悪いけど…超可愛いよ、君。


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