もう一度あなたに恋をした。
episode 4
好き。
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「えっ?!なんなのその展開は!!」
塗ってたマスカラを落として叫ぶのは、言うまでもなく親友の雅さま。
「シッ!!声おっきいってば!!」
慌てて雅の口を塞ぐ。冷静になった雅がマスカラを拾い、座り直したのを確認して再び口を開く。
「その…それで、ずっと考えて寝れなくって。」
この通りでっす☆と、おどけながら自分の目のクマを指すあたしを見て、わざとらしく溜め息を漏らす雅。
「…で、どうなの?」
「何が?」
「決まってんじゃない。佐伯くんの事どう思ってんのかってことよ。」
「………わか、んない……」
語尾あたりは消えてしまいそうなぐらい、小さな声だった。
そんなあたしを横目にパタンと鏡を閉じて、真っ直ぐ見据える真剣な雅。