もう一度あなたに恋をした。
目頭を押さえながらなんとか歩く足が目指すのは、いつもの屋上。
保健室のあの独特な臭いが病院を思い出させてどうしても嫌で、体調悪くてもいつも屋上に行くようにしてる。
立ち入り禁止って書かれてるけど、鍵は何故か開きっぱなしで、サボるために屋上を利用する生徒も中にはいる。
中にはこっそりイチャつくカップルなんかも。
そういう場合は大体諦めて授業を受けるが、どうやら頭痛が悪化してきた今日の体調はすこぶる悪いらしいから、どうにかしてでも屋上にいたい。
屋上までの階段をのっそのっそと上がり、少しだけ上がった息を整えるように深呼吸して、屋上へ繋がる重い扉を開ける。
開けた瞬間、差し込んでくる眩しい日差しが今日はやけに強い。
顔だけ覗かせてぐるりと見渡して、人がいない事にホッとしながら外に出る。