もう一度あなたに恋をした。
そんな不安を抱えながら佐伯くんを見ていると、目がバッチリと合う。
結構距離があるのに。
こんなに女の子で溢れかえってるのに。
……真っ直ぐ、あたしを見て。
ドキン、と心臓が跳ねる。
佐伯くんは、ウォーミングアップしてる部員達に何かを告げて、ひとり抜け出して…
小走りでこっちに向かって来る。
その向かう先は他の誰でもない、あたし。
あたしの目の前に来て足を止めた佐伯くんは、フェンスに手をかけて更に近付く。
「…来てくれるって信じてました。」
あたしのところに来てくれた事に、あたしに向けてくれるその優しい笑顔に…またドキドキしてる。