もう一度あなたに恋をした。
そうなれば感じるのは案の定、まわりから痛いぐらいの視線。
「ほら、あのふたり…」
「やっぱり付き合ってんだ…」
ヒソヒソと、そんな声も耳に入ってきて、恥ずかしくなって視線を落とす。
「先輩。」
フェンス越しに上から降ってくるのは、優しい優しい声。
いつからだっけ…こんなにときめくようになったのは。
佐伯くんといると…あたしがあたしじゃなくなる。
「もし、レギュラーになれたら…ご褒美ください。」
見上げれば、フェンスの向こう側に意地悪く笑う佐伯くん。