会社で恋しちゃダメですか?
園子の不安が徐々に薄れて行く。こうやって包まれていると、安心感に満たされる。
「君を失いたくないんだ」
園子の安らぎに反して、山科の声は切迫したものに聞こえて、園子は思わず見上げる。
視線に気づいて、山科が微笑んだ。
「もう一回キスしようか」
園子の頬があつくなる。
「子供のキスと大人のキス、どっちがいい?」
「え、じゃあ、子供ので……」
園子は自分の発言が、恥ずかしくてたまらない。
「却下」
山科が言う。
園子は再び柔らかな波へと落ちていく。
今度は抵抗しなかった。