会社で恋しちゃダメですか?
山科は園子をくるりと向かせると、アイランドキッチンの上に座らせる。
それから唇に愛撫を繰り返した。
彼の指が。
髪を、首筋を、肩を、触れる。
深いキスをしながら、山科が園子の脚の間に割って入る。園子の心の抵抗が強まった。思わず膝に力がはいったが、山科は許さなかった。更に力を入れる。
ブラウスのボタンに手がかかると、園子は我慢の限界がきて、思わず「いやっ」と小さく声に出してしまった。
山科の動きが止まる。
それから顔をあげた。
山科の追いつめられたような表情。
「何があったんですか」
園子は空いた胸元に手をおいて、山科に訊ねた。ブラウスを掴む手がかすかに震える。
山科は園子の腰に腕を回すと、お腹のあたりに顔を寄せた。暖かな息が腹部にかかる。
「ごめん」
「どうしたんですか?」
「ほんとに、いろいろ、ごめんな」
園子の腰に回した腕に、強く力が入る。
「竹永、救えない」
そう言った。