会社で恋しちゃダメですか?
園子は、指にはめられたリングを、そっとなでる。
「はい」静かにそう答えた。
山科に安堵したような表情が産まれる。園子は無意識に身をかがめて彼にキスをした。
手を握り合う。
長い指が、リングをはめた園子の指に絡まる。
彼が腰をあげて、園子の頭を抱いた。
長く深い口づけ。
唇が首をそっとおりていくと、園子は目を閉じて身を任せた。
彼が触れるところが、痺れて甘い。
Tシャツを脱ぐと、彼の髪が乱れる。
首を振って、目にかかる前髪を払った。
じらすような口づけを繰り返しながら、園子の身体がベッドに横たわる。
両手でシャツをたくし上げ、腕をなぞるように脱がされた。
両腕を頭上にあげると、彼が園子の両手を握りしめる。
「怖い?」
園子を見下ろしながら、彼が訊ねる。
「ううん」
園子は首を振った。
彼が園子の手の平に口づける。それだけで身体を走り抜ける歓び。
彼はゆっくりと園子のすべてに口づける。彼が身体をなぞると、園子は思わず小さな声を漏らした。
触れ合ったところの皮膚が熱い。
唇を重ね、髪に指を入れる。
「怖かったら、やめてもいい」
熱を帯びた口づけの合間に、彼が言った。
彼の手が徐々に強さを増してくる。
全てを奪われ壊されてしまうような感覚。
「いいの。抱いて」
これから起こることの予感に震えて、園子が耳元にささやいた。