会社で恋しちゃダメですか?


「今日、園子、薬のんでんだろ。危ないよ。回るよ」
朋生が腰を上げて、こちらへ来た。


「大丈夫か? 具合わるくないか?」
「大丈夫、うん、大丈夫」
園子はそう答えながら、なんだか目の前がぐるぐるとしてくる。


あれ? おかしいな。なんだか、飛んでるみたいな気分。


「園子、やっぱりおかしいよ。ふらふらしてる」
紀子が背中を支えてくれているのがわかった。


「俺、園子送ってくわ」
朋生がそう言ってるのが聞こえる。


こんどはなんだか楽しくなってきた。
朋生はわたしのことを好きなんだって。
こんなわたしのどこがよかったのか。
ははは。


園子は、そのままどさんと横に倒れた。
油っぽい畳に頬がつくと、なぜか笑いが止まらなくなる。


「ああ、園子、やばいよ」
「園子んちって、どこ?」


遠くで声が聞こえる。


それからの記憶は失われた。
そして、目を覚ますと、見覚えのない場所にいたのだ。




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