会社で恋しちゃダメですか?
「ぶちょう……」
園子は口をあけて、山科の顔を凝視する。
山科はそんな園子の反応を楽しむように、ゆったりと園子に近づく。
園子はベッドの上を後ろに逃げた。
「昨夜は楽しかった」
山科はベッドに腰掛け、園子の方に身体を乗り出す。
園子はもう一歩後ろへ逃げる。
「池山さんって、大胆だよね」
「えっ」
園子の頭が真っ白になる。
「俺もそんなつもりなかったけど、あんな風に迫られたら……」
そこで山科がにやりと笑う。
「え、え、え、えーーーーーーーっ」
園子は叫び声を上げた。
すると突然、風船が破裂したみたいに、激しく山科が笑い出した。
「あははは、池山さん、最高におかしいよ」
「?????」
園子は訳が分からず、爆笑している山科をただ見ているしかない。
「ごめんごめん、冗談だって。なんにもしてないよ」
山科はお腹を抱え、うっすらと涙さえ浮かべている。
「池山さん、危なかったから、連れてかえるしかなかったんだよ」