【短編】甘い薬
「自分からしたんだろ?・・・まぁそん時は俺が看病してやるよ。」



風邪薬が効いたんだか、即効性の方が効いたんだか・・・苦しそうな感じが抜けた口調だった。


キスしただけで風邪が治るっていうのも・・・どんな身体してんのよ。


そして私達は手を繋いだまま、いつの間にか眠りに落ちていた。












―翌日




「あー。すっきりだ。昨日の風邪が嘘みてぇ。」



すっかり全快の雅哉。思いっきりカーテン開けて、眩しい朝の光を室内に入れる。


だけどソレとは正反対に思いっきりダルい私の身体。


やっぱり予想通り。


今の私は眩しい光さえも辛く感じる。






「全部こっちにうつったじゃん・・・。」



「ま、キスすりゃうつりもするよな。」




「どーしてくれんのよ~・・・。」
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