【短編】甘い薬
私は無意識のうちに雅哉の部屋の合鍵を持って自分の家を飛び出していた。
さっきの辛そうな雅哉の声が、頭からずっと離れない。
早く行かなきゃ。
もしかしたら倒れてるかも、なんて考えるだけでゾッとする。
雅哉の家に向かう途中にあったコンビニで適当におかゆやゼリーや飲み物、そして風邪薬も買っていった。
店員に代金を払ってコンビニ袋を慌てて持って走った。
急いで雅哉の部屋へ向かう。
私は思いっきり走った。
手に持っているコンビニの袋が少し重たかったけど、そんなの気にしてる場合じゃないっ!
こうしてる間に、雅哉の風邪が悪化してたら・・・なんて思うと、不安で仕方ない・・・。