【短編】甘い薬
「とりあえず、熱測ろう!そんで風邪薬!!・・・あっ、その前にちゃんと何か食べた?」



慌てて話す私に呆れたような溜め息が聞こえた。


いつもの私ならここで文句を言っているだろうけど。


今はそんなことにいちいちツッコんでてもしょうがない。


雅哉だって疲れるだけだろうし。


とりあえず私は体温計を雅哉に渡した。







「・・・食欲ねぇ。何も食べれない・・・。」


「えっ、それじゃ薬が飲めないじゃん。・・・おかゆもダメ?他には・・・ゼリーとか買ってきたけど。」



ホントに辛そうな雅哉。


こんなに辛そうな雅哉は初めて見た。


だけど何か食べてくれないと・・・。
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