【短編】甘い薬


「・・・そばにいろよ。」





風邪ひいた時もやっぱりその口調は変わらないんだね。


だけどなぜかそんな口調も今日は愛しく感じて。


思わず顔が緩んでしまいそう。







「ん。じゃあ、ここにいる。・・・だから早く薬飲んで、風邪治してよね?」






そう言うと、雅哉は小さく頷いておとなしく薬を飲んだ。


飲み終えるとコップを私に渡して横になった。


私はコップとかゴミとかを片付けようと寝室を出ようとした。










・・・けど、後ろが何かに引っかかり前に進めない。
< 9 / 15 >

この作品をシェア

pagetop