君と家出中…

『遼くんにお礼しないとね』






『え?』







『 駅で杏を見かけて家出を知った遼君が、新聞屋さんを通してウチに連絡をくれて面倒見てくれたんだからね』







『連絡!?なによ連絡って!!!』






『杏が思い詰めてるみたいだから、気の済むまで付き合って、僕が家まで送り届けますって。

昔から責任感の強い子だったから。

この春からだって… 』







『何それっ!!裏でコソコソして、みんな最っっ低!!!』







『杏、それは違うよ…』








『もうっ!いーからおばあちゃん出てって!!』






それから何を言われても、頭まで布団をスッポリかぶって、だんまりを決め込んでいると、おばあちゃんが部屋から出て行った。


< 85 / 107 >

この作品をシェア

pagetop