幼なじみがイケメンをこじらせたんですが。
 そんな風に聞けば、希良は、一瞬言葉に詰まって、でも何でもない風に話しだす。


「ああ。そこは、ほら。
 オレと空琉の母親が違くて……姉妹だし……」


「なんだ。
 じゃあ、二人は、従兄弟ってこと!?」


 希良の言葉の詰まり方。


 何か大きなことを隠してそうだったけれど!


 聞けば、大したことない関係にほっとして、まだ何か話したそうな希良に重ねて質問した。


「じゃあ、なんでこんな忠半端な時期に、転入して来るの!?」


 小学校や、中学校では『親の都合で~』なんて、転校したり来たりすることもあるけれど。


 高校で、こんな風に夏休みの終わりに転校して来るのは……珍しいんじゃないかな?


 出て来る『?』に、希良はまた、テンションを上げて言った。
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