うさぎと恋
「どうしたの…?」
「え…?へぁっ!?」
顔を上げると、神楽先輩の綺麗な顔がすぐ近くにあって、思わず変な声が出てしまった
「近すぎだ馬鹿」
深海先輩がぺちりと神楽先輩の頭を叩く
「痛い…」
表情が変わらなさすぎて痛そうに見えないのですが…
あ、そうだ
「あ、あの、神楽先輩はよくあの裏庭に行くんですか?」
「うん…?あの、桜の…?」
私はこくりと頷く
「うん…いいお昼寝場所…」
お、おぉ
お昼寝場所なんですね…
そういえばこの前も寝てましたもんね
「また…」
「え?」
「また…おいで?」
思ってもいなかった申し出に、思考が一時停止する
「…っ、いいん、ですか?」
「うん…おいで?」
神楽先輩は、柔らかな笑みを向けてくれる
「はい!」
私の顔は今、緩みきっていることだろう
本当に嬉しすぎる……!