海賊王女と無敵な人魚の王子さま
「海賊に、ルールなんざ無用だ!
 なんだぁ?
 お前たち、最新武器の銃の一丁も持ってないのか?」


「やめとけ、やめとけ!
 この船って時代遅れの『魔法使い』さまがご乗船なんだろ!?
 ショボイ魔法を使うためには、火薬がいけねーんだと」


「おお、だから大砲で撃ち合う前に船ごと、突然突っ込んで来やがったのか~~!」


 そんな時代遅れなことをやってるから、お前たちの国、フロンティエールは滅びたんだ!


 なんてげらげら笑う声に、わたし、とうとう腹を立てた。


「魔法が、時代遅れでショボイですって!
 じゃあ、お前たちが、その身を持って、思い知るが良いのよ!
 ……ジーヴル! 魔法残量確認!」


「はい!」


 わたしの声に、すぐ側に控えた大柄の副船長が、手を高々と上げる。


 その、とたん。


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