あたしと彼は添い寝ふれんど。

それもそのはず。

きっと莉緒はあたしの家を女の子らしい落ち着いた雰囲気の家だと
想像したに違いないから。


黒田くんはわからないけど、
少なくとも价もそうだろう。


だけどあたしの家は、

『殺風景』が第一声で、本当に何もない。



あたしの住むマンションはセキュリティは抜群でそこそこいいマンションだ。

見た目も綺麗で清潔感がある。

部屋はリビングの他に3部屋もあって
高校生の1人暮らしには大きすぎだ。


だけどその3部屋全ては使われていなくて
物も1つも置いていない。


置いている物といえば、
リビングに冷蔵庫と小さめのテーブル、それと毛布が1枚。


その冷蔵庫の中も飲みもの程度しか入っていない。



「なにもないけど、ごめんね」

「…え、ううん……」


あたしはリビングに唯一あるテーブルに3人を座らせて冷蔵庫からお茶をだした。
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