D.o.t.L~Drag of the Love~
*2*
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【蓮side】
うるさい音楽が鳴り響く中で、
体中にピアスやタトゥーのはいった奴らがそこらじゅうに目につく。
「れーんっ。行くの早いってー。俺このクラブだけは怖くて入ったことないんだから~。」
後ろで嘆く燐斗を早々に俺は、怪しい動きをしている男をみつけた。
そいつはそっと自分の背後にきた男に袋を渡しかわりに、お札を3枚受け取った。
その光景を眺めていると袋を渡した男がこっちにむかってきた。
「んだ、てめぇ」
近づいてみると、よりピアスやタトゥーのひどさに唖然とする。
「さっきの、くれません?」
「あ?なんの話だよ」
「ほらさっきの袋。渡してたやつ。まあざっと10g程度だし5万あれば大丈夫だろ」
「んだよ、てめぇもそんなツラしてやることやってんのかよ」
売人の男はにやっと口を歪ませたあと
「まぁいいだろ、5万で」
と笑顔をこちらに向けてきた。
軽く俺は頷いて財布からお金をだそうとした時、不意に甘い香水の匂いがした。
「潤、てめぇ2万も余計にとってなにすんだよ」
「....隼人さんっ。あ、いやこれは....」
その香りの主は、茶色がかった髪で前髪を軽く横に流し、涼しく、かつ怖い目で潤と呼ばれた売人をみていた。
そしてその目から怖さをとった表情で俺に目を注ぎ
「大麻は、3万で俺らやってるから」
そう言い、俺の手に情けなく掴まれたお札を3枚だけ抜き取った。
「2度目はねぇぞ」
潤という売人の耳元でそっとその、”隼人”
と呼ばれた男はつぶやき、奥の部屋に足をすすめた。
─────────とき。
────カツカツ....カツカツ
その男に引っ張られるように、
───────キミがあれわれた。