雨音
 しーちゃんの話によると、私の学校の野球部は、そんなに強くは無いらしい。

 でも、野球をしている部員たちはとても一生懸命で頑張っていることがよくわかる。
 
 野球のルールとかはよく解からないけれど、とても格好いいと思った。

「すごいなぁ。」

「何が?」

「いや。弱くても強くてもさ、何か一つのことに頑張るって凄いことだなって。私、今までそんなに頑張ったことないから・・・。」

「何言ってんの。歌乃だって頑張ってんじゃん。」

 しーちゃんの言葉に私は反応することが出来なかった。

「何話してんの?」

「ぅわっ!!」

 びっくりした。

 もう部活は終わったのか、行き成り真人くんが話に入ってきた。

「篠宮さん、びっくりしすぎw部活終わったから帰ろー。」

「アイス奢れよ?」

「いやだよ!自分で買えよっ!」

 男子はいつもふざけてて、バカで、怖いと思っていた。

 でも、しーちゃんや真人くんは違う。

 ふざけているけど、バカみたいだけど、人を笑わせてくれる。

 女子の友情とはきっと違う。

 なんか信頼ってものがあるのだろう。

 女子同士で『アイス奢れ』なんて言ったらきっと『はぁ!?』ってマジギレするんじゃないかな?

「篠宮さーん。何してんのー?はよ帰ろー。」

 今日は今までで一番真人くんと話せた。

 いつか、真人くんの隣にいつも私が居れるような。

 そんな関係になりたいな。

 帰り道、3人でコンビニに行って100円のアイスを買った。

 勿論、真人くんの奢り。

 でも、真人くんはしーちゃんのアイスを3分の1くらい食べていた。

 


 


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