手をさしのべてくれたなら




家を出ると、とんでもない寒さに襲われた。




高校生2年の冬だから当たり前か。




今日はいつもより10分ほど早く学校についた。




学校前の角を曲がろうとしたとき、


ドォォン!!




「.........った......」

どうやらなにかにぶつかったみたいだ。




「あぁ! ごめんね、ごめんね
僕、ちょっと急いでてさ...怪我ない?」




私の顔の前に差し出された小さな手。



思わず顔を上げた、




私がぶつかった人は身長は私より少し高いくらいで、真っ白な肌に、程よくはねている茶色の髪の毛、
第一印象は『可愛い』だろうか。




「どーしたの?」



彼の声に、はっと我に返る。




「大丈夫、自分で立てるから......」




「えー...ほんと...「おい、瑠真!また人にぶつかったのかい?いつも気をつけろっていってるだろ?」




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