殺人ごっこ
【それではまず、精神を強くすることに致しますか。それでは、次のページにお移りください。音が流れるので、お気をつけて】
注意を受けたので、少し音量を下げてから「next」をクリックした。
そして、次の瞬間僕の頭の中は真っ白になった。
映し出されたのは。
――人の、殺されている動画だった。
「や、やめてっ……あ……あぁ、うっ……あああああぁ……」
ナイフが、女の腹部に刺さっている。
刺しているのは、僕だった。
顔から、身長まで、僕そっくりの人だった。
僕にそんな度胸あることができるとは考えられない。
だけどまさにあの人間は、僕だった。
無残な女の人の顔が画面いっぱいに映し出される。
気持ち悪い……なんだ、これは。
大きな、叫び声。
そのあとに女の人は果てた。
死んだ、んだ。