殺人ごっこ
「っ……凛太郎……どうして、いつもそんなことするの?」
放課後、いつも幼馴染みの幸乃が僕を待ってくれている。
いつも救急セットを持って、傷が出来た僕の体を消毒してくれるのだ。
とても、いい人だ。
「幸乃……しょうがないよ。僕が、弱いから」
「……凛太郎にだって、拒否する権利はあるでしょ?」
僕だって、強くなりたい。
けど、これが僕なんだから仕方がない。
「それに、あたし我慢できない……凛太郎がひどいことされてるのに、見て見ぬふりだなんて、できない……」
けど、僕はシアワセ者なんじゃないかな、って時々思う。
だって、こうやって僕のために泣いてくれる人がいるんだもん。
「うん……有り難う。けど、僕は別に大丈夫だから……」
真っ赤な夕日が僕等を照らし続けていた。
強くなりたい。
そんな思いが、日々大きくなっているのを感じた。