殺人ごっこ

僕はそのことには触れず、またパソコンに向かった。

さっきの白いページは消え、リンクする前と同じページだった。

僕は勇気を出して、もう1回リンクすることにした。


さっきは驚いて、パニックになっちゃったけど、今度こそは!

ゆっくりと、震える手で【ここをクリックしてください】を押した。



「いやああああああ……ああ」



白いページが表示されると共に、聞こえる母さんの叫び声。

事前につけておいたイヤホンから聞こえる。

さっきよりも音質がよく、そのためか先程よりもリアルに聞こえた。



「ひっ……ぃい……」



思わず声が漏れてしまった。

頭を抑えたい、耳を塞ぎたい、けれど駄目なんだ――

――これは僕の試練なんだ


「あぅ……は、あ……」


その声を境に、やっと声が止んだ。

部屋は静寂に包まれ、僕は安堵の溜め息を漏らした。


終わった。最後の、鍛錬。


「お、わった……鍛錬……」


ぽつりと呟くと、画面の白いページが自動的に消え、


【お疲れ様でした】


の文字が表示されていた。
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