殺人ごっこ
「さ、殺人?! で、出来ないよ……出来るわけ、ないじゃないか!」


僕はその言葉に動揺し、驚きを隠せなかった。

だって、殺人だぞ、殺人。

人を殺すなんて……犯罪じゃないか!


【大丈夫です。警察沙汰には必ずしもなりません。手順や凶器などは此方で用意させていただきますので――】


そんな文字が見えたが、僕は震える手で強制終了をした。

でき、ない。

そんなこと。


「どうしたの、凛太郎」

下から母さんの声が聞こえた。

普通の、母さんの声だ。

「え、あ……なんでもない……」

上擦りながらもなんとか声を出した。

「そう、それならいいけど」


僕には普通がぴったりだ。

いじめにもあっていいから、殺人などに手を染めたくはない!
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