殺人ごっこ
「【Manslaughter】? 知らないけど、それがどうかした?」


隣の家の、春次さんをネット喫茶に呼び出した。

春次さんは俗に言う「オタク」で、大学に入ってしまったのであまり会わないが、昔はお兄さん的存在として親しんできた人だった。


「なんか、すごいサイトなんですけど……おばさんたちには言わないでくれますか?」

「いいけど、どうかしたの」

「いえ……あの……」


僕はあのサイトで起こったことを話した。

春次さんは半信半疑に聞いていたが、まだちゃんと聞いてくれるだけマシだろう。


「新手のサギかなんかじゃない? 殺せなんて、嘘だよ。ハメだよ、ハメ」


だが春次さんは、僕の話が終わると同時にそう言った。

ハメ? そんなわけ、あるか。

僕はパソコンを立ち上がらせ、春次さんに言った。


「そ、そんなことないです! ちょっと、見てください」


僕は急いでインターネットを開き【manslaughter】と検索した。

そして一番初めに出てきたのをクリックすると、見慣れたページに移った。


「へえ、ちゃんとしたサイトじゃん。【精神を強くし、何事にも恐れない人間になれる方法】? ふうん」

「だから言っているんじゃないですか」


IDとパスワードを打ち込み、ログインした。

するとページが現れる。

真っ黒な背景に、赤い【You have to play kill.】の文字。
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