殺人ごっこ
「貴方は……殺人をしなくてはいけない?」

「そうなんだ……」

「いや、待てよ。普通犯罪は【犯す】だよな……【play】には色々な意味があるけれど……もしかしたらこの文に使われているのは……」


春次さんの瞳が変わった。

何やら難しいことが考えているらしい。


「殺人ごっこ」


静かに春次さんが呟いた。

僕はマウスを動かすのを止め、春次さんを見た。


「殺人、ごっこ?」

「ああ、多分。それが1番相応しいと思うけど。んで、なに」


僕は暫く「殺人ごっこ」の意味を探していたが、春次さんを待たせてはいけないのでパソコンの画面を春次さんに見せた。

それはあの説明文や画像が張ってあるページだった。

そして、母さんが見えなかったページ。

すると春次さんが顔を歪ませた。


見え、たのか?


「なんだ、このページは。何も書いてない、真っ白なページじゃないか……」

「え、本当に見えないんですか?!」

「からかっているのか、凛太郎。まあいい。俺はもう帰るからな……」


春次さんはそういうと、荷物をまとめて部屋を出て行ってしまった。

なんで、なんでだ?

どうして僕以外の人には見えない。


いや、ログインページやあの【You have to play kill.】文字も見えたじゃないか。

見えないのは、その先。


何故だ、なんでだ。
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