殺人ごっこ
「ねえ、ニュース聞いた?」
「聞いた、聞いた。也村君の話でしょ?」
「嫌ねえ……ここらへんにそんな残虐な殺人犯がいるなんて」
「けど、也村君は怨みでやられたって話じゃない」
「それなら、大丈夫かしらねえ」
でも普通は、怨みだけでそんなことしないよ。
誰かに押されないとね。
「凛太郎君、ちょっと嬉しいでしょ? 也村君殺されて……」
翌朝、僕のもとには色々な人が集まっていた。
初めての経験だったので、心はとても晴れた。
「ううん……僕、意外と健太君に優しくされていたんだ。前は家に呼んでくれたし……」
「え、そうなの? ごめん、誤解していたかも」
「いいんだ。けど、本当に残念だよ……もっと話したいこと、いっぱいあったのに」
我ながら素晴らしい演技だ。
僕が暫くの間俯いていると、急に肩を叩かれた。