殺人ごっこ
6th 第二標的
「有り難う。君のおかげだ」
今日も真っ先に帰って、パソコンを立ち上げた。
パソコンはなおもデスクトップを表示せず、インターネットが開き続いていた。
【退会、するのですか】
退会……か。
そうだな、それも考えてみるかな。
「んー……今はそういうつもりじゃないんだけど、この先はここ使わないかなーって思って」
【駄目です】
「は?」
駄目……?
何が駄目なんだ。
やる、やらないは自分の勝手だろう。
【退会は、出来ません。利用条約にも書いてありましたよね】
そういえば、そんなこと。
僕は曖昧な記憶の本を捲りながら考えた。
退会はしないけど、使用しないというのは別にいいんじゃないか。
【貴方はもっと強くならなくてはいけません。先日のは怒りがあったからでしょう。あれではただの復讐です】
復讐?
それは精神を強くするのを兼ねてだからいいんじゃないか。
それに結果的には同じ方向を向いている。
それにもう僕は、強くなくていい。
これだけの地位が手に入れば、もう十分だ。
いじめられない、いじめる人がいない。
そんな平和なクラスになったから、もういいんだ。
精神の強さなんて、権力なんて、もうそんなものいらない。
【命令は絶対です。阻止は一切出来ません】
でも現実を知った。
【さあ、また殺人をしてきてください。そして、精神を強くしてください】
このサイトに登録してしまったからは、逃げられない。