殺人ごっこ
8th 殺人ごっこ

「次のターゲットだって?」


驚いたので、少し声が上擦ってしまった。

僕は精神を強くしたいからやっているわけで、人を殺したいわけではないんだ。

僕はパソコンをおとすために電源に手を伸ばした。

その途端、


【貴方は逃げられません】


その文字が現れた。


「ひぃっ……?!」


僕は情けない声を出すと共に、電源を切るのを躊躇ってしまった。

呼吸を繰り返し、落ち着きを取り戻す。


【一番最初に見た動画、あるでしょう。あれは貴方の将来の姿です】


そんなこと、有り得ない。

有り得させてたまるか。


これ以上僕は人を殺したくはない。


――殺人鬼に、なりたくないんだ。


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