殺人ごっこ
赤に染まった空は、次第に黒さを取り戻していた。
満足そうな幸乃が僕に手を振って、玄関から出て行った。
「じゃあね、また明日」
「うん、じゃあね」
幸乃がようやく帰っていった。
なぜか安堵感が僕に降りかかる。
それを境に僕は、2階へと駆け上った。
「よかった、IDとパスワード覚えていて……」
すぐにパソコンを起動させ、あのサイトに向かった。
そして、ログイン。
ほっと溜め息をついた。
幸乃が簡単に、僕を信じてくれてよかった。