腹黒教師の甘い策略
昼下がりの保健室


「先生……っ、もっと……」

「欲張りだなぁ……」

昼下がりの保健室。
少し開いたドアの隙間から、かすかに聞こえる男女の声と混じるリップノイズ。

……嘘、でしょ。

ドアの隙間から見えた信じがたい光景に、私は
ただ立ちつくす。

女子生徒と、教師がキスをしている。
保健室でそんなことをしてるってだけでも驚きなのに、そこでキスをしていたのは紛れもない私の彼氏、数学教師の戸川 聖司。


……目眩がする。信じられない。
というか、普通彼女の職場でする?
保険医の私がいない間に……


私は呆然とたちつくし、
ふつふつとそんな怒りをぶつけるように
いまだに熱いキスをする二人を睨む。


「戸川先生って、意外と大胆なんですね。」


「……え?」



今見てしまった信じがたい光景に
イライラする私の耳に入ってきた声は、
聖二のものでも女子生徒の声でもない、
低く響いた声。
私は慌てて、その声のする方を見る。



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