腹黒教師の甘い策略
ガタッ
「あ……」
「な、なに……!?」
泣きそうになりながらも、
谷崎を睨み付けていると、ガタッと
大きな物音が保健室から聞こえてきた。
「二人が出てくるみたいだな。」
「うそ……っ!」
なんでそんな冷静なの!?
出てくるみたいだな、じゃないわよ!
あわてふためく私を、
“まぁ、まぁ。落ち着けよ”と、
冷静になだめる谷崎。
「落ち着けるわけないでしょ!」
「……お前、もう敬語使う気ないだろ?
まぁ、いいけど。有沢先生、早くこっち。」
楽しそうに笑う谷崎に、手を引かれ、
抗うこともできずに、そのまま階段の
奥に身を潜める。
隠れたのはいいけど……
「……そっちもっと寄ってよ!」
「もうこれが限界なんだよ。
少しの間だから我慢しろ。」
谷崎がしゃべる度、息が私の耳にかかる。
後ろから抱き締められてる状態で、
こんなの……っ
あー、もう!
二人とも早く保健室から出ていって!