腹黒教師の甘い策略
「それにしても、あの戸川さんがねぇ……」
「……うん。」
感慨深く呟いた香織の言葉に、
わかりやすく落ち込む私。
……聖司のことや、谷崎のことを香織にはよく話していた。
聖司のことについては主にのろけ。
……谷崎のことに関しては主に愚痴。
「生徒たちからも人気あったんでしょ?」
「……うん。」
生徒たちにも人気があって、仕事に対しても
すごく真面目で。
優しくて、そんなところに引かれて聖司と
付き合い始めた。
そんな人に今まで浮気されてたなんて、
今でも信じられないし、受け入れたくもない。
「まあ、
いつまでも落ち込んでても仕方ないでしょ。
今日は思いっきり飲みなよ。
特別にこの香織様がおごってあげる!」
「うん、ありがとう。
じゃあ香織様に甘えようかな。」
“うんうん、どーんと甘えたまえ。”
香織のその言葉に二人してふふっと笑う。
……やっぱり、持つべきものは友人だなー。
香織にはすごく助けられてる。