インキー☆ガール
第一章 はじまり


(朝だ…!朝が来た…)

「里子〜!里子〜!起きなさいよ〜!」

今日は高校の入学式だ。
世間のみんなはわくわくしているのかな。
新しい制服、新しいクラス…

そんな中、私の頭の中は行きたくないコールでもういっぱいだった。

(高校に行ってもどうせろくなことない…私はどうせぼっち…)

中学の頃、私はいわゆる「ぼっち」だった。
と言っても、いじめられることもなく、ただただコミュ障なだけ。

ちなみに、彼氏は一度も居たことがない。中学三年生になると、周りに「リア充」が増え始める。

私は彼氏なんて別に必要ないから、羨ましいともなんとも思わない。
ただ、普通に生活して普通に。
普通に卒業したのだった。


「里子!!起きなさい!!」

「あーもう!分かってる!今起きるよー!うるさいなぁ」

私はいやいやベッドから身体を起こし、新しい制服に着替える。

中学の頃はセーラー服だったから、ブレザーは憧れだった。
赤いリボンにチェックのスカート。
「ちょっっと短いかなぁ…」
膝上のスカート。私服でも来たことがないミニスカートに少し困惑した。

でも、全身鏡に映る 高校生 の自分を見て私はなんだか自然に笑みがこぼれた。

(意外といいじゃん...)




「いってきまーす!」



私はなんだかいますごくわくわくしている。

自分でも制服が着こなせた…


結構イケてた自分…


急にテンションがあがった。



学校の前に着く。

(うわあ…可愛い子多いな…)


目の前に待ち受けていたのは私よりもスカートの短い女の子ばかり。髪型は巻き髪、茶髪、化粧もしている。

教室に入ると、クラスのほとんどがギャルとギャル男…


こんなインキなのは私くらいだった。


ぼーっとしていて、気づいたら目のまえに男の子が立っていた。

金髪で、少しくるんとパーマがかった髪型。

すごいこっちをみている。

(な、なに。。恥ずかしい。。何なの…)


すると急に目の前で大きな声をあげて笑い出したのだ。

「今時この制服の着こなしする?つーかさ、あんた中学の頃インキャでした〜って顔だよね」


「………」


その通りだったから、何にも言い返せなくて黙り込んでしまう。

クラスのみんなが私に大注目。。


出だしから私は最悪だった


(何この男…ほんと私の高校生活だいなし。)


男はまだ爆笑している。


何にツボったんだ。


こっちは泣きたい。


あーもう、最低最悪の高校生活だ。

クラスの印象はもう終わったな。

これからどうなるのかな。

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