カムフラージュの恋人
私がスマホの向こうで鼻息荒く憤慨してるのが分かっているのか。
黒帯の雅彦が諭すように、「大丈夫だって。一緒に空手習った仲だろ?」と言った。
「もう10年以上前の話ですが」
「だから、きよいのことは俺が守る」
「う・・・」
ちょっとその言い方、カッコよすぎて反則。
・・・ていうか、私が彼女のフリをするって方向に、話が流れてない?
「こんなこと頼めるのは、きよいしかいないんだよ」
「ちょっと、まさひ・・・」
「頼む!きよいちゃん、おねがいだ・・・」
きっとスマホの向こうで頭下げてるって想像させるような、切実な声出して!
しかも、私が「ノー」と言えないような懇願口調で・・・。
敗北を認めた私は、俯きながら唇を軽く2秒噛みしめた後、「で?」とだけ言った。
黒帯の雅彦が諭すように、「大丈夫だって。一緒に空手習った仲だろ?」と言った。
「もう10年以上前の話ですが」
「だから、きよいのことは俺が守る」
「う・・・」
ちょっとその言い方、カッコよすぎて反則。
・・・ていうか、私が彼女のフリをするって方向に、話が流れてない?
「こんなこと頼めるのは、きよいしかいないんだよ」
「ちょっと、まさひ・・・」
「頼む!きよいちゃん、おねがいだ・・・」
きっとスマホの向こうで頭下げてるって想像させるような、切実な声出して!
しかも、私が「ノー」と言えないような懇願口調で・・・。
敗北を認めた私は、俯きながら唇を軽く2秒噛みしめた後、「で?」とだけ言った。