カムフラージュの恋人
それでも、子どもの頃以来、超久しぶりに来た水族館は、意外と見ごたえがあって、26になった今でも楽しい・・・のは、雅彦と一緒だから、かもしれない。
っていけない!
これはやっぱりデート「もどき」であって、本来のミッションを見失わないようにしないと!

「ねぇ、雅彦」
「ん」
「ここにその・・・“彼女”、いる?」
「さあ。人多いから分かんね。平日なのに意外だったなー。てかきよい。それ不自然だから。はいこうして」
「あっ!?」

ヒソヒソ声で聞くために近づいた私を、雅彦はパッと引き寄せると、私の手をつないでくれた。

・・・これで私たち、はたから見ても「カップル」に見える、かな。

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