ジュリエットじゃ終わんない
「ちょっと待ちなさいよっ!!」

スゴい形相で、腕を掴んで来たあのヒト。



「ちょっ、痛…っ!」


「勝手な事させないわよ!!」


「離してよっ!
もーウンザリだから!

あんたの奴隷じゃないし!」


吐き捨てながら、掴む手を必死に振り払う。



「奴隷!?
こっちのセリフよ!
アンタ育てる為にどれだけ必死に働いて来たと思ってんの!?」


「バカじゃない!?
親なら当然でしょ!?」


つい、ムキになって…
売り言葉に買い言葉。



まさか、それが引き金になるなんて…



「アンタって子はァ…
感謝すら出来ないワケ!?

あっそ、

いつも冷めた態度で反抗的で…
ほんと可愛くない!」



イヤな予感がした。



「改めて実感するわ…」



待って、言わないで!

ずっとフタして、ヘーキな自分を保って来たのに…



「アンタって、つくづく…」



やめて!お願い!!

再認識したら、もう…






「 シ ッ パ イ サ ク ネ ! !」


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