ジュリエットじゃ終わんない
ガシャンッ…



なにかが、崩れるよーな音がした。





ぐわぁ…と、

フタの中身が甦ってく…





ーあんたが自分の娘だなんて思いたくない!
この失敗作が!!ー

万引きした時。



ー苦労して育てたのにこれ!?
アンタってほんとに失敗作ね!」

心の叫びをぶつけた時。




そん時の、張り裂けそうな気持ちも引き連れて…





「…っうああぁ!」


喚き声と同時に顔を覆った。



息苦しさに襲われる…









あたし、失敗作なの?



だから、一緒に住んでくれないの?


だから、あんまり会いに来ないの?




だから、あたしに興味ないの?


だから、こんなに苦しめるの?



だから…




失敗作は、必要ないの?








甦る悲しみが心を支配する。




母親からのその言葉は…


存在価値とか、
生きてるイミとか、

あたしの全部を否定された気分で…



心が激しくエグられて、

苦しくて、苦しくて…


気がつけばソレにフタしてた。
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