ジュリエットじゃ終わんない

息切れしてたどり着いた…

近くにある川原の土手。



行くあてを失くして佇むと…


ドシャンッ!



ジョギングの人とぶつかったあたしは、荷物のせーでバランスを崩して倒れ込む。


なのに…



その人は、何事もなかったよーに走り去る。




もぅ、見えないのかな…






存在が透明な、

透明人間のあたしは…








ーーー誰の心にも見えないね。



この悲しみですら、存在否定で葬られてく…










だったらいっそ、消えてしまいたいよ!





ふと…


目に映る川が、深いコトを思い出す。






吸い込まれるよーに…


フラフラと、ソコを目指した。






透明なあたしは…

このまま消えたって、誰も気にも止めないよ…




そう浅瀬に踏み入れて…


途端、水の冷たさに恐怖が襲う。
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