ジュリエットじゃ終わんない


「実はさ…
あたし、親と上手くいってなくてさ…」


息苦しいくらいの緊張感…

ホールで香織も交えて、そう話を切り出した。



「…で、週末もちょっとモメて、しんどくて…
そん時、柊也に助けてもらってさ…

朝もソレ心配して、声かけてくれたんだけど…」



「今は?
もう大丈夫なの!?」



そう心配する穂花の優しさに、胸が詰まって口が重くなる。


苦笑いで返すあたしに…



「なんで柊也?

幼馴染みだから?」


まだ触れてない核心に、的確に切り込む香織。

穂花の手前、もっともな疑問だけど。



ドキリとしながらも、首を横に振って…

息を吸い込んで、穂花を見つめた。



「…隠しててごめん。


あたしも、柊也が好きなんだ」




ガタンッ!


突然立ちあがって向けられた、泣きそーな顔。




「…っ!


穂花、ごめ…」


「ひどいよっ!」



謝罪を打ち消して、零れる涙。



想像以上の反応に…

何も言えなくなる。
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