ジュリエットじゃ終わんない
「深紅ちゃん!
いい加減にしなさいよ!?」
夕食中、バァちゃんがあたしのイヤホンを外した。
逆らうコトなく、だけど謝るコトなく、
ただ淡々と食事を続けた。
戸惑うバァちゃん。
無言のジィちゃん。
姿を消したままのあのヒト。
ま、どーでもいい。
あたしはただ貝になって…
なにも言わない。
なにも、考えたくない。
なのに…
「甘ーっ!
この激甘パン、ヤバいってー!
食ってみー?」
次の日も来た豊田。
勉強出来ても…
バカなの?こいつ。
自己満な優しさとかウザいんだけど。
そんな絡みの為に、またイヤホンを取られたあたしは、完全シカトをキメ込む。
けど特に気にした様子もなくて…
てか、ほっといてくんないかな!
なにも関わらず、
なにも求めず、
そしたら傷つかずにすんだのに。
失敗作なあたしは、愛を求める自体…
間違ってたんだよ。