ジュリエットじゃ終わんない
もがき
「ね、豊田…
やっぱ気まずなんだけど!」
「大丈夫だろー。
ドアんトコ立って、俺の陰に隠れてたら見えないってー」
ただいま、Jクラの手前。
パンを買い終わった豊田に、
"野上の事気になるだろー?
様子見に行くー?"
って誘われて、お弁当も後回しで偵察。
今回のコト、柊也はなんも語んないらしくて。
あたしは、嫌われたとだけ説明してて。
そんで豊田は、なんとなく想像がつくみたいで心配して…
こーやって援護射撃してくれる。
その気持ちを思うと切ないけど…
マジ感謝。
そこで「あ、今OK」って小声の誘導。
廊下から、ドアの小窓をそっと覗いた。
目に飛び込んできた柊也の姿に…
それだけで心臓がジャンプして、
ギュッっと絞られる。
「あっ、ガイジがこぼしたっ!」
突然、その声と後に続く笑い声。
それはすごく聞き覚えがある…
悪口女子らの声だった。
位置的に見えないけど、悪口のターゲットはちょーど今こぼした…
柊也みたいだ。