ジュリエットじゃ終わんない



「ダメだ!繋がんねー」

豊田が頭をグシャグシャかいた。


「…そか」

肘をついた手で顔を覆って、大きく溜息を零す柊也。



深紅を心配して、忌引き明けから何度もケータイを鳴らすが…

電源が入ってない様子だった。




落下した弁当の残がいは、2人が片付けて…
その箱は柊也が洗って、机の中に仕舞ってた。



その時の取り乱し方と…


ー柊也ってさ、なんかジィちゃんに似てんだよね。
静かで、強くて、すごく優しいー

深紅の言葉が巡る柊也は…


関われない自分に苛立ち、苦し気に顔を歪ませて…

遠くを見つめた。





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