ジュリエットじゃ終わんない
「あいつ、バイト解禁になったらそっちに専念して、空手辞めんだよ」


「え…、うそっ!ホンキで!?」

小1からやってんのに!?



「もったいねぇよなァ?
うちの流派じゃ、全国でも5本の指に入んのにな!」


「えええっ!!
そ、そんなにっ!?」

騎馬戦もよゆーなワケだ…!



「でもっ、じゃあなんで…?」


「ん〜?

…家計を助けたいんだってさ。

だからあいつも、心残りがねぇよーに…
空いた時間を可能な限り、空手に注ぎ込んでんだ。


ま!応援してやってくれな!」


そー言って、ひろし先輩は練習に戻ってった。



視線を柊也に移して…

その必死な練習風景を見つめた。




ー「柊也くんちって、母子家庭でしょ?
私立とか絶対無理みたいでさ…

今もね、親孝行したいからって…」ー


穂花の言葉が頭に浮かぶ…



相変わらず。
こんなにも柊也のコトを知らない自分と、

今 知った事実が…


胸を圧し潰す。




柊也はどんな気持ちで、空手を離れるんだろ…



空手と向き合う貴重な時間なのに、
よけーな心配さしてる場合じゃないよ…!
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