ジュリエットじゃ終わんない
邪魔になんないよーに、そっと…
道場を後にした。




「深紅!」


なのにすぐ、呼び止めてきたキミ。


不機嫌なハズなのに…

ちゃんと気づいてくれたコトとか、
慌てて追っかけてくれたコトとか、


嬉しくて泣きたくなる。



「あ、ごめっ、勝手に…」

来たのも、帰んのも。



「や、

俺、送れねーし…」


「えっ、

いーよ!親にバレたら大変だしっ」


「ん…

だから平日は…」



ひろし先輩のゆうとーりだね。



「うん、わかった…」


「あと、着いたら連絡…」


「うん、LINE入れとく…
って、保護者だね!柊也」


笑うあたしと、照れくさそーな柊也。

だけど…



"すげぇ大事"が、伝わってくる。





あたしだって、キミがなにより大事だよ。



でも、今のあたしに出来るコトは…

「じゃあ、練習頑張ってね!」って、
とびっきりの笑顔で応援するくらいで。



ね、他になにが出来る?



キミに近づくコトと、
この距離を守るコト、


どっちが大事に繋がんのかな?
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