ジュリエットじゃ終わんない
「今日の事、あの子は…
柊也は知ってるの?」


「…

いえ…、出来れば言わないで下さい…」


「そう…

わかったわ。
じゃあ深紅ちゃんも、もう聞かないでね?」


「ええっ!待って下さいっ…」


慌てるあたしに、トドメのひと言。


「ごめん、忙しいの。

もう帰ってもらっていいかな?」




玄関を出て、閉じられたドアに…

柊也との繋がりまで閉じられた気分になった。








だけどそれから1週間。



「深紅ちゃん…

毎日、毎日、迷惑顧みないわね…?」


「すっ、すいません!
けどあたしっ…

柊也のコトが好きなんです!
だから絶対、諦めらんないんですっ!」



その発言に面食らう柊也ママ。


「ちょっと、
こんなところでカミングアウト!?

もう…、中入って?」



初日以外、ずっと門前払いだったあたしを…
困ったよーな笑顔で招き入れてくれた。




「それで?
その気持ち伝えたの?」

テーブルに落ち着いて、第一声。
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