ジュリエットじゃ終わんない
「はい…

フラれちゃったんですけど…」


「フラれたの!?
あの子、なんて?」


「…

俺は嫌いって…
けど今は大事な幼っ…」


「嫌い!?
そんな事言ったの!?」

あたしの続きを遮って、やたら驚いて…
何かを考え込むよーに、難しい顔。



「ヤ、あの…、今は違くて…」


聞いてる?
ね、弁解さしてぇぇ!



「ごめんね?
酷い事言ったのね…

あの子ちょっとコミュニケーションが苦手で、表現が不器用なのよ。

ほら!昔はおとなしかったでしょ?」


「あー、はい。
テンパったんだって、今は解ってます」


とりあこの(会話の)方向性でいっか。



「そう、よかった…

ついでに聞いていい?
あの子、高校でみんなと馴染んでる?」


「はいっ、人気者です!」


女子から。

むしろ馴染んでないのはあたしです…


てか。



心配されてて、うらやま。




「そう、安心したわ。

昔はよく深紅ちゃんが守ってくれてたけど…
転校しちゃってからはずっと、みんなの酷い言葉に独り傷ついて来てたから…」


「…

ガイジ…、とかですか?」


胸が痛む。
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